UNCLE "SHOWA"17
「叔父さん、こんにちは」
「おお、羽務須太雄じゃないか。何年ぶりになるかな、まあお上がり」
「叔父さんからハムスターをもらったのが十年くらい前ですからね。いやあご無沙汰してました」
「もうそんなになるか。ところでハムスターは元気でやっとるか」
「とっくに死にましたよ。ハムスターって2年くらいしか生きないじゃないですか」
「だってお前はピンピンしとるし」
「羽務須太雄は名前ですよ。人間ですから」
「ところで須太雄は幾つになった?」
「今年で26になります」
「ほう、犬でいえば120歳くらいじゃないか。大したもんだ」
「いや、人間ですからまだまだひよっこです」
「わしなんか、あと数年で年金が貰える歳になってしまったよ。実際貰えるかどうかはわからんが」
「身体の具合はいかがですか」
「人間も50を過ぎればガタも来るわ。最近は腸の具合がイマイチでな」
「食生活に問題があるんじゃないですか。壮年男性に大腸ガンが多いっていうし」
「そういえば昔みていたドラマに『大腸にほえろ!』というのがあったな」
「病院ものですか?」
「いやいや、刑事物だ。いろんなキャラクターの刑事が出ては人気を博しておった」
「へえ、どんな刑事ですか?」
「ドリアンという刑事がいたな。みんなからは『ドリさん』と呼ばれておった」
「好き嫌いが分かれそうだな」
「腸詰という年配の刑事は『腸さん』、山芋という渋い刑事が『山さん』だ」
「なんかクセのありそうな連中ですね」
「そういう刑事ばかり集めたのさ。他にもクサヤ刑事とかガーリック刑事とか」
「すごいな」
「『股下』と呼ばれて女性ファンの多かった刑事もいたっけな」
「どういう趣味ですかね」
「何年も洗濯してないシャツを着た『ワキガー刑事』とか、女物の下着を着けた『ズロース刑事』とかは異色だな」
「もっと爽やかな刑事はいないんですか?」
「『シンコ』という女刑事がいたが長年勤めているうちに『オシンコ』になった」
「加齢には勝てなかったんですね」
「『左太めで右加齢』ということわざもあるからな」
「どういう意味ですか?」
「なに、満員電車の状態を表しているんじゃろ」
「なるほど」
「とにかくすごいドラマだったな『大腸にほえろ!』は」
「でも沢山の刑事が出て、話が混乱しませんでしたか」
「ある時期になると1人ずつ去っていくんじゃよ。その時は盛大にみんなでお祝いしたもんだ。『純食』といってひたすら食いまくる」
「いまの大食い番組の先駆けですね」
「だからみんな大腸を壊して検査で吠えるのじゃ」
「昔の刑事物はなんだか刺激が強そうでイヤですね」
「なんといっても警視庁『鼻曲がり署』だからな」




























