Life of their own
中森明菜の「DIVA」に次のような一節がある。
「悲しみさえその力に変えていける take your way」作詞:Ryohei Matsufuji
このフレーズに聞き覚えがあると思って思い出したのは「原始、女は太陽だった」の一節。
「太陽が昇る 裸の胸に いま哀しみさえ生きる力に変えてく」作詞:及川眠子
この逆境からの再生というイメージは中森明菜本人に通ずるものがある。
しかしマイナスからプラスにもっていくためには想像以上の消耗を伴うのも事実である。
確かに彼女は失意の中から立ち上がるだろうが、喜びにとどまることがまた困難であろうことを誰しもが予想するのである。
「おいしい水」という歌がある。
「何も感じない女になれたら ときめきと引き換えて かまわない」作詞:Mariko Okabe
自分の繊細さゆえに辛く苦しい思いをするのである。
それが当たり前になっていることを嫌悪しているのだろうが、そこから抜け出せるわけではない。
何も感じない女になんてなれっこないことは本人がいちばん分かっている。
同様の状態は「赤い花」においてよりいっそう過激な願望となる
「あたしをいっそ切り裂いて 何も感じないほどの 傷をつけて去って行ってよ」作詞:川江美奈子
そう、彼は何もせずに去って行った。
そしてそのことは彼女の心により深い晦渋をもたらす結果となった。
中森明菜にはこうしたHeart Breakな内容の歌がとても多い。
もちろん作詞家にとってHappyな出来事よりもそうでないほうが詩になりやすいということは差し引いても‥
弱さを見せないためにはどうすれば良いか。
虚勢をはるというのとはまた別なのだろうが、ある種の演技が必要になるだろう。
「Trust Me」の歌詞にこんな部分がある
「だけど少しは冷たいふりをしないと私らしくない」作詞:夏野芹子
私らしさとは何だろうか。
「嘘つき」にも次のような歌詞がある。
「何度も確かめてる 鏡に映してみる 私らしさを纏うための術」作詞:川江美奈子
この歌ではそんな自分の本当の姿を相手にわかって欲しいという願いが歌われている。
セルフイメージは自分自身で作り上げたものなのだ。
「Crazy Love」の歌詞にもあるように。
「Crazy Love つまずいて Crazy Love 立ち上がり
Crazy Love またひとつ Crazy Love 手に入れる
私だけのカラー 自分自身の人生」作詞:遠藤幸三、Miran:Miran
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