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2007年10月16日 (火)

新しい旅が始まる-Salyu 『LIBERTY』-

Salyuの実に9ヶ月ぶりとなる新曲は作詞がSalyu自身、作曲は元MANGAHEADの国府達矢による『LIBERTY』だ。
デビュー以来の小林武史プロデュースを離れて、さてどんな路線を打ち出してくるのだろうと思っていたのだが、今回のシングルリリースでその方向性が少し見えた。

前作のアルバム『TERMINAL』がひとつの帰着点であり、結果として完成度の高い作品になっていたことは以前に書いたとおりである。
アルバム発売後の初の全国ツアーではSalyuとしてのこれまでの活動を締めくくるようなステージ・歌唱を披露してくれた。
名曲『to U』で終わるそのステージは円環が閉じられたような印象を与えたため、次なるステップが予測しがたいものになっていたが、ツアー後のTV出演などでは「伝え手」としての使命や、自らの歌へのポジティブな思いを吐露していた。

まだ夏の暑さが残る8月31日に公式HP上に突然新曲情報が発表された。
それは2枚のシングルの連続リリースという驚きの告知であった。
さらに今回のプロデューサーは元「詩人の血」の渡辺善太郎であること、楽曲の作詞はSalyu本人が手がけていることなどが伝わってきた。
11月発売の『iris〜しあわせの箱〜』のほうは任天堂DSのソフトの主題歌でもあるので、曲の一部をゲームのHPで聞くことができた。
しかし、先に発売になる『LIBERTY』については全く情報もなく、曲の予想もつかなかった。

ようやくスペースシャワーTVでPVを見たときの印象は、前作の延長線上に置かれるべき作品という感じで、すごい冒険をしたというふうには思わなかった。
ところがである。
きょう手元に届いたCDをモニターヘッドフォンで聴いてみたら驚いた。
この曲は実に奥行きのある演奏で歌われていたのである。
出だしのストリングスが被るところから始まって、各楽器が極めてクリアーな分離でミキシングされている。
渥美があるのに濁らず、特にアコースティックの響きが耳に強く残る。
『TOWER』に近いものがあるがもっとずっとクリアーな感じ。

Salyuの歌唱は抑制がきいていて、ヴォーカルを前面に打ち出した音作りではないのだが、演奏に埋もれることなくしっかりと響いている。
私のTVのスピーカーでは残念ながら細かい部分が再現できないので分からなかったが、これは絶対にCDで聴くべき音だ。
一音も聴き逃すまいとヘッドフォンを付けたまま何回か真剣に聴いたら、グッタリと疲れてしまった。
このシングルからリスタートしたSalyuは空を軽やかに飛んでいくような音ではなく、未開の大地を新たに掘り起こすようなところから始めようとしているのだ。
聴きこむほどにそうした刺激が発見できて、それが聴き手を疲労させるのだろう。
私はグッタリしながらも非常にうれしかった。

同時収録の『SWEET PAIN』もサラッと聴くには勿体ない音があちこちに散りばめてあって、Salyuの歌への興味は尽きない。

Salyu

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