« セキセイインコ近況 | トップページ | Such days »

2007年5月13日 (日)

わたしとアタシの微妙な関係(Salyu考)

昨年来、いちばん聴き込んでいるのがSalyuの歌であるが、今年のホールツアーと先月のDUOでのライブに行ってみて、自分のお粗末なオーディオ装置でCDを再生させるのが悲しくなった。
彼女のほんとうの歌の力は生で聴かないとわからない。
なかなかそういう機会に恵まれないのが実際のところだから、CDに入っている歌の何倍もすごいんだと言うことを頭に入れて聴くようにしている。
昔は自宅のオーディオ装置にばかみたいにお金をかける人なんて理解の外だったけれど、今はその気持ちがわかるような気がする(やらないけど)。

2001年のLily Chou-Chouクレジットの『呼吸』、2005年の『landmark』、今年の『TERMINAL』の3枚のアルバムと、『to U』を含めると10枚のシングルが発表されているわけだが、歌唱の技術も、感情表現もどんどん進歩していることがわかる。
Salyuの歌唱で面白いのは、しっかりとこちらに歌詞の内容・メッセージを伝えるように歌う曲と、天性の声が持つ音響面を強調する曲とがかなりはっきりと歌い分けられていることである。
前者を代表する曲には「VALON-1」や「to U」が、後者は「夜の海 遠い出会いに」のように極端なものもあるが、多くの楽曲で歌詞の内容よりも耳にどう響くかということに重きが置かれている。
前にSalyuのアルバムには歌詞カードはいらないと言うようなことを書いたが、いまでもそう思っている。
歌詞を伝えたい部分はちゃんとそのように歌われているので自然とこころに響いてくるし、自在に操る声が伝える感情は言葉を必要としないからだ。

そんなわけで、CDについている歌詞カードなどほとんど見ていなかったのだが、先日あることに興味を持ったのではじめてじっくりと見ながら聴いてみた。
それは〈わたし〉と〈あたし〉の使い方である。
Lily Chou-Chouを含めて発売された全ての楽曲のなかで歌詞に〈わたし〉または〈あたし〉を含む曲は次の22曲である。

〈わたし〉と歌われている楽曲
・愛の実験=わたし(歌詞通り)
★飛べない翼=わたし(歌詞はあたし)
・共鳴=わたし(歌詞通り)
・虹の先=わたし(歌詞通り)

〈あたし〉と歌われている楽曲
★エロティック=あたし
・飛行船=あたし(歌詞通り)
・landmark=あたし(歌詞通り)
・アイアム=あたし(歌詞通り)
・Peaty=あたし(歌詞通り)
☆体温=あたし(微妙)
・ウエエ=あたし(歌詞通り)
・Dramatic Irony=あたし(歌詞通り)
・風に乗る船=あたし(歌詞通り)
・プラットホーム=あたし(歌詞通り)
☆Apple Pie=あたし(歌詞通り?)
・name=あたし(歌詞通り)
★be there=あたし
★heartquake=あたし
★to U(Salyu ver)=あたしたち
☆to U=わたしたち(微妙)

〈わたし〉と〈あたし〉が混在する楽曲
☆Dialogue=あたし&わたし(歌詞はすべてわたし)
Tower=わたし&あたし(歌詞通り)

※歌詞において漢字で「私」と書かれているものは〈わたし〉に分類した
 (★は歌詞と違って歌われているもの、☆は判定が難しいものである)

こうしてみると、〈あたし〉と歌われている楽曲が圧倒的に多いことがわかる。
発声する場合に〈あ〉のほうが〈わ〉よりも大きく口を開けられることが関係しているのだろうか、よく歌詞で対になる〈あなた〉とのバランスで〈あたし〉と歌われることが多いのだろうかなどと考えてみる。

「プラットホーム」を最初に聴いたときに〈あたし〉が気になって、ここは〈わたし〉だろうと思ったのだが、今回歌詞を見て歌詞通りだったので驚いた。
それ以外の楽曲ではSalyuのキャラクターに〈あたし〉というのは似合っているし、違和感はない。
そんな中でLily Chou-Chou時代の「飛べない翼」で歌詞の〈あたし〉を〈わたし〉と歌っていることに妙に感動したりしたのであった。

なんてことをしながら、夏フェス以降の新曲を心待ちにしている最近である。

Salyu

|

« セキセイインコ近況 | トップページ | Such days »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« セキセイインコ近況 | トップページ | Such days »