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2006年12月27日 (水)

『呼吸』というアルバム

私には苦手な発音がある。
「り」が続くとダメなのだ。「リリアン」とか「リリリリ」とかを声に出すと必ず
〈りぢあん〉とか〈りぢぢぢ〉みたいになる。
最初の「り」は大丈夫だが2番目からは舌が口の中で引っ掛かったみたいになって、厄介なことになるのである。
そのくせ、字面が好きなものだから飼っていたハムスターに「りりお」と名付けたりした。
以前、中野に住んでいたときのアパートの名前も「リリアハイム」であった(・ω・)

そんなことには全く関係がないが、Lily Chou-Chou(リリィ・シュシュ)のことが書きたくなった。
もう、誰でも知っていることだろうが、Lily Chou-Chouは2001年に公開された岩井俊二監督の映画『リリィ・シュシュのすべて』の中で大きな役割を果たしている"架空の"歌手であり、歌を担当しているのは(今をときめく)Salyuである。
映画本編には一切Lily Chou-Chouは登場しないが、その存在感は圧倒的であり、やや難解なストーリーをもつこの映画を見終わって頭の中に残るのは彼女の歌声である。

そう、私はSalyuを知った後にLily Chou-Chouに出会ったのである。
それも、アルバム『呼吸』を聞いてから映画『リリィ・シュシュのすべて』を見るという順番であり、つまりは時間軸を逆に辿っていったわけである。
これは実にエキサイティングな体験であった。
そしてSalyuという稀代の女性シンガーに対する私の関心はますます深まったのである。

にも書いたが、Salyuのファーストアルバム『landmark』はこのシンガーの持つ包容力に溢れた歌声のパワーを見せつけてくれた。
同時にヴァラエティに富んだ楽曲に多少の戸惑いを感じたことも事実であった。
「landmark」や「彗星」等のアップテンポの曲と、「VALON-1」や「体温」等の"癒し系"の曲との間にある距離を上手く捉えることが(どちらも素晴らしいのであるが)困難であったのだ。
その後、シングルを全て聞いて、とりわけ『Tower』には驚かされたものである。

Lily Chou-Chouとしての唯一のアルバム『呼吸』は2001年のリリースである。
小林武史×岩井俊二のコラボレーションとしては過去に映画『スワロウテイル』におけるYEN TOWN BANDがあったが、今回も『リリィ・シュシュのすべて』のために作られたユニットがLily Chou-Chouであって、強いコンセプトのもとにサウンドは構築されている。
当初、このアルバムを聴いた際には、『landmark』と比較してあまりにもモノトーンなサウンドと、賛美歌のようなメロディになかなか馴染めなかった。
今年の秋、映画『地下鉄に乗って』の主題歌としてリリースされたシングル『プラットホーム』の2曲目に入っていた「夜の海 遠い出会いに」を聴いた瞬間に、過去と現在は繋がった。
私が抱いていた妙なわだかまりは氷が溶けるように消え去り、アルバム『呼吸』の全ての楽曲が愛しく思えるものになったのだ。

『呼吸』に収録された9曲のなかで、私のfavoriteは「愛の実験」だが、タランティーノが惚れ込んだという「回復する傷」も、シングルカットされた「グライド」もすべてが素晴らしい。
当時二十歳のSalyuのヴォーカルはもちろん現在よりも幅が狭いが、小さな宝石のようなこの楽曲たちに魔法を与えるには十分すぎる力を持っている。
なによりもLiliy Chou-Chouのときでなければ作り出せない世界を感じさせることが、このアルバムをかけがえのないものにしてくれている。
そして、現在のSalyuを理解する手がかりを与えてくれるのもこれらの楽曲にあるわけで、事実、『landmark』に感じていた曲間の距離を感じることは無くなった。

新年に始まる全国ホールツアーや、ニューアルバム『TERMINAL』でますます多くの人たちの心を捉えることだろう。
ほんとうにすごいよSalyuは

Kok

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コメント

>Cacaoさん、どうもです。

来年2月のライブで初めて生の声を聴くことができそうです。
実は、すごい期待してたりします(・ω・)♪

投稿: Reザジ | 2006年12月27日 (水) 22時38分

お久し振りです(なかなかコメントはできなくてすみません)

Salyu、幻想的な声ですよね。
たぶん、「生」は、もっと違うだろうなぁと思わせます。
 

投稿: Cacao | 2006年12月27日 (水) 22時25分

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