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2006年5月 7日 (日)

JIMI HENDRIX

JimiBSでジミ・ヘンドリックスのワイト島ライブをやっていたので懐かしく見る。
ベースはビリー・コックスでドラムスはミッチ・ミッチェルである。
どうなんだろ、ものすごいプレイは此処では聞かれないけど、音を出しているだけで圧倒的な存在感を見せる。

ジミ・ヘンドリックスについてはもう語り尽くされているのであろうが、稀代のロック・ギタリストというだけではない、本物の芸術家である。
彼には表現すべき思いが常にあふれ出てくるので、たまたまギターを用いてそれを吐き出していたのであろう。
彼の演奏を聴いているとロックがどうだとかいうことは関係なく、ジミ・ヘンドリックスの音楽はこうなんだということだけがこちらに伝わってくる。
ステージ上で時折見せる苛立ちの表情が印象的であるが、彼自身、魂と外部の温度差にやりきれないもどかしさを感じていたに違いない。
ドラッグの服用は感覚を研ぎ澄ますため以上に内外の温度差を麻痺させる必要があったから故であると信じている。

それにしても、ジミ・ヘンドリックスのステージを見てあらためてロックの演奏形態の究極の形はトリオであることを認識した。
ちょうど、クラシックにおける弦楽四重奏のようなものである。
各々のパートは互いに補完し合い、また牽制し合い、ある時は戦いつつギリギリのバランスを保つことで演奏のダイナミックスを形成する。
3人ともがすごい集中を強いられる中でそれぞれの持ち味を生かさなければ存在感を埋没させてしまうのだから大変である。
演奏中にトリオのひとりがあちらの側に行ってしまうことが往々にしてあるが、残る2人は冷静に戻るのを待つこともあるし、エイヤッと全員で突き抜けてしまうこともある。
その辺の呼吸は演奏ごとに変わるのであるが、何にせよトリオの演奏は極めてスリリングである。
私にとっていちばん思い出深いライブはGFRが後楽園で演った豪雨の中のステージであるが、彼らもまたトリオであった。

ジミ・ヘンドリックスもジャニス・ジョプリンもジム・モリスンもみんな70年代に入ってまもなくこの世を去ってしまったが、マッチを一度に燃やしてしまうような人生だってアリだというしかない。
彼らに共通するのはイージー・リスニング的なものとは対極の音楽をやっていたことだけど、そういう音楽と真剣に対峙する場面がすっかり少なくなってしまっている。
毎日聞くのはしんどいかもしれないが、たまには自分の耳を痛めつけるような機会を持たなければ腑抜けになるかもしれない。

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コメント

ははは。3は緊張感があるってことで。

投稿: やまもと | 2006年5月 9日 (火) 06時46分

>やまもとさん
実はこの"トリオ"というのはお笑いにも当てはまるわけで・・
"ボケ"と"ツッコミ"と"普通の人"で織りなすヴァリエーションはコンビより遙かに多彩であります。
チャンバラトリオは4人ですが・・(・ω・)*

投稿: Reザジ | 2006年5月 9日 (火) 00時29分

ぼくはトリオのバンド(実は数年ぶりにボーカルが復帰で4人になってしまいました)を同じメンバーでもう8年以上続けています。
4人以上のバンドになると、型にはまってくるし、みんなで作っていくような感じですが、ベースかギターがいなくて2人になると(バンドとは言わないですね)気を遣わない会話のように自由で何をやってもOKになる。やはり、トリオの緊張感は格別です。カリキュラマシーンでも「3はきらいだよ~」という歌がありましたね。
いつもスタジオでは、会話もなく延々即興のロックをやるのですが、もう8年以上もやると、全く自由に思うようなことができます。というかできないようなことは思わないし、思うようにならないときは僕が壊してしまいますが。ははは。
昨年レコーディングで演奏をたのまれたときも、モニターで僕がイメージを伝えられただけで、リハ無し即興で、OKテイクを連発し、驚かれました。こういうことはヘタでも長くやるだけでかけがえのないものになってくるものですね。
ジミヘンエクスペリエンスやビートルズの活動期間より遙かに長いですから。くらべるなっちゅうの(笑)長いコメントすみません。

投稿: やまもと | 2006年5月 8日 (月) 23時59分

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